
英語が読めないと感じる瞬間は、本当につらい。TOEICの長文で時間切れになる。仕事の英語メールを見て固まる。洋書を開いて3ページで閉じる。
でも安心してほしい。「英語ができない」わけではない。読めない原因を特定できていないだけだ。原因がわかれば、対策は明確になる。
この記事では英語が読めない原因を5つに分類し、それぞれの克服法を具体的に解説する。自分のボトルネックを見つけて、今日から対処を始めよう。
英語が読めない5つの原因と克服法
英語が読めない原因は、大きく5つに分かれる。才能やセンスの問題ではない。どの原因に当てはまるかを把握すれば、やるべきことが見えてくる。
自分がどれに該当するか、チェックしながら読んでほしい。
原因1|返り読みのクセが抜けない
返り読みとは、英文を後ろから前に日本語の語順で訳すクセのこと。英語が読めない人の多くが、この返り読みに苦しんでいる。
短い英文は読めるのに、長文になると意味がつかめなくなる。心当たりがあるなら、返り読みが原因だ。
なぜこのクセがつくのか。日本の学校英語で「後ろから訳す」指導を受けてきたからだ。"The book that I bought yesterday" を「昨日私が買った本」と訳す練習を何年も繰り返した結果、脳が「英語は後ろから読むもの」と学習してしまっている。
克服法は2つある。
1つ目はスラッシュリーディング。英文を意味の区切りで「/」を入れて、前から順に読む方法だ。たとえば "I went to the park / to play tennis / with my friends." のように区切る。後ろに戻らず、区切りごとに意味をつかんでいく。
最初は区切りの位置に迷うかもしれない。前置詞の前、接続詞の前、関係代名詞の前で区切るのが基本だ。慣れると自然に区切れるようになる。
2つ目は音読。声に出して読むと、物理的に返り読みができなくなる。英語の語順で前から処理する力が自然と身につく。
2週間ほど音読を続けると、返り読みのクセは大幅に改善する。まずは1日1段落の音読から始めてみよう。
原因2|語彙力が足りない
知らない単語が多すぎると、英文の意味が取れない。辞書を引くたびに読む流れが止まり、内容が頭に入らなくなる。語彙不足は英語が読めない原因として最も多い。
言語学者Paul Nation氏の研究によると、英文を快適に読むには「98%の単語を知っている状態」が目安とされている。100語のうち知らない単語が2語以下。このレベルに達していないと、読むたびにストレスを感じる。
克服法はシンプルだ。まず中学レベルの基本単語1,000語を確認すること。基本1,000語をカバーするだけで、日常的な英文の約85%は理解できるようになる。
そのうえで、多読しながら文脈の中で語彙を増やすのが効率的だ。「同じ単語に3回出会ったらメモする」というルールにすると、本当に頻出する単語だけを自然に覚えられる。
単語帳を何周もするより、やさしい英文をたくさん読むほうが記憶に定着しやすい。英語多読の完全ガイドで、多読を使った語彙の増やし方を詳しく解説している。
原因3|文法の基礎に穴がある
単語は知っているのに文の意味がわからない。英語が読めない原因が「文法の穴」にあるケースだ。
SVOC(主語・動詞・目的語・補語)の区別がつかないと、単語を知っていても文の構造を見抜けない。"I found the book interesting." の "interesting" が補語だとわからなければ、「面白い本を見つけた」ではなく「その本が面白いとわかった」という正しい意味にたどり着けない。
原因は、文法を体系的に学んでいない、あるいは忘れていること。学校で断片的に学んだ文法知識が、つながっていない人は多い。
克服法は、中学英文法を1冊で復習することだ。薄い文法書を1冊選び、2週間で一気に通読する。完璧に理解する必要はない。全体像をつかむのが目的だ。
加えて、精読で1日1文のSVOC分析をすると効果的。英文のSとVを見つけ、修飾関係を矢印で書く。地味な作業だが、2週間続けると文構造が見えるようになってくる。
5文型・関係代名詞・不定詞・動名詞を押さえれば、大半の英文は読める。文法の穴は、集中して埋めれば短期間で解消できる。
原因4|英語を読む量が圧倒的に少ない
英語を読み始めるとすぐ疲れる。10分で集中力が切れる。英語が読めない原因が「読む体力の不足」にあるパターンだ。
たまに英語に触れる程度では、読む力は伸びない。Paul Nation氏の研究では、読解力向上に必要な読書量は年間50万語以上とされている。1日あたり約1,400語。英語のニュース記事1本ほどの量だ。
「毎日そんなに読めない」と感じるかもしれない。でも最初から1,400語を目指す必要はない。1日10分、やさしい素材を読むだけでいい。
克服法は多読を習慣にすること。自分のレベルに合った英語素材を、辞書なしで楽しみながら読む。アプリを使えば通勤電車やスキマ時間でも読める。英語が読めるようになるアプリ7選の記事で、目的別のアプリ選びを解説している。
1ヶ月ほど多読を続けると、「英語を読む抵抗感」が明らかに薄れてくる。読む体力は筋トレと同じ。少しずつ負荷を上げていけばいい。
原因5|完璧主義で読むのが遅い
全部理解しないと気が済まない。1文に5分かける。辞書を手放せない。英語が読めないと感じる原因が、実は「完璧主義」にあることも少なくない。
「正確に訳す」ことが目的になっている人は、読書ではなく翻訳をしてしまっている。読むのと訳すのは別のスキルだ。読むときに100%の理解を求めると、スピードが落ちて全体の文脈をつかめなくなる。
克服法は、英語多読の3原則を実践すること。「辞書を引かない」「わからないところは飛ばす」「つまらなければやめる」の3つだ。
「70%理解できればOK」というマインドセットに切り替えよう。日本語の本だって、すべての言葉を完璧に理解して読んでいるわけではない。英語も同じでいい。
わからない単語を意識的に飛ばす練習を1週間続けてみてほしい。完璧主義のブレーキが外れて、読むスピードが一気に上がるはずだ。
自分の弱点を診断するチェックリスト
英語が読めない原因は人によって違う。以下のチェックリストで、自分の弱点を特定しよう。
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長文になると急に読めなくなる → 原因1(返り読み)
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知らない単語だらけで読む気が失せる → 原因2(語彙不足)
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単語は知ってるのに文の意味がわからない → 原因3(文法の穴)
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英語を読み始めるとすぐ疲れる → 原因4(読む量不足)
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1文を完璧に理解しないと次に進めない → 原因5(完璧主義)
複数に該当する場合もあるだろう。その場合は、番号が若い原因から順に対処するのが効率的だ。返り読みのクセを直さないまま多読を始めても、効果が出にくい。土台から順に固めていこう。
チェックリストの結果を踏まえて、次のセクションで具体的なアクションステップを紹介する。
英語が読めない状態から抜け出す3ステップ
英語が読めない状態から抜け出すには、3つのステップを順に踏めばいい。一気にすべてを解決しようとせず、段階的に取り組むのがコツだ。
Step 1: 自分の弱点を特定する
上のチェックリストで、自分がどの原因に該当するかを把握する。原因がわかれば、やるべきことは半分決まったようなものだ。
闇雲に「英語の勉強」を始めるのが一番効率が悪い。返り読みが原因なのに単語帳を回しても意味がない。まずは「自分が読めない理由」を言語化することから始めよう。
Step 2: 弱点に合った克服法を2週間集中で実践する
特定した弱点に対応する克服法を、2週間集中して実践する。
| 弱点 | 克服法 | 1日の目安 |
|---|---|---|
| 返り読み | 音読 + スラッシュリーディング | 15分 |
| 語彙不足 | 基本1,000語の確認 + 多読 | 20分 |
| 文法の穴 | 中学文法の通読 + SVOC分析 | 20分 |
| 読む量不足 | やさしい素材で多読 | 10分 |
| 完璧主義 | 飛ばし読みの練習 | 10分 |
2週間あれば、1つの弱点に対して目に見える変化が出る。複数の弱点がある場合は、1つずつ順番に取り組もう。
Step 3: 多読で読む体力をつける
弱点を潰したら、多読で英語を読む体力をつけていく。1日10分、やさしい素材から始めれば十分だ。
3ヶ月の具体的なロードマップは、英語が読めるようになる方法5つの記事で詳しく解説している。精読・多読・音読を組み合わせたステップバイステップの計画がわかるので、あわせて読んでみてほしい。
よくある質問
Q. 英語が読めないのは才能の問題?
才能の問題ではない。英語が読めないのは「読み方を知らない」だけだ。
日本語が読めるようになったのも、幼少期から大量の日本語に触れた結果。英語も正しい方法で触れ続ければ、誰でも読めるようになる。必要なのは才能ではなく、正しい方法と継続だ。
Q. TOEICのリーディングが時間内に終わらないのはなぜ?
主な原因は返り読みと処理速度の不足だ。
TOEICのPart 7は約6,000語の英文を75分で読む必要がある。返り読みをしていると、処理速度が半分以下に落ちる。多読で「前から読む」力と処理速度を上げるのが最短ルートだ。英語多読の完全ガイドを参考に、多読を始めてみよう。
Q. 何歳からでも英語が読めるようになる?
なる。年齢はハンデにならない。
むしろ大人は子どもより有利な面がある。文法を論理的に理解する力が高いぶん、精読で文構造を把握するスピードが速い。精読で土台を作り、多読で量をこなすアプローチなら、大人のほうが効率的に上達できる。
まとめ
英語が読めない原因と克服法を振り返ろう。
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返り読みは音読とスラッシュリーディングで矯正できる
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語彙不足は基本1,000語の確認と多読で解消する
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文法の穴は中学英文法の復習と精読のSVOC分析で埋まる
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読む量不足は1日10分の多読習慣で改善する
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完璧主義は「70%理解でOK」のマインドセットで手放せる
まずはチェックリストで自分の弱点を特定することから始めよう。原因がわかれば、やるべきことは明確だ。
具体的な方法を知りたい人は、英語が読めるようになる方法5つの記事へ。アプリで今日から始めたい人は、英語が読めるようになるアプリ7選をチェックしてほしい。
英語が読めない状態は、必ず変えられる。正しい原因を特定して、今日から一歩を踏み出そう。多読を始めるならTa-dokuがおすすめだ。
Aki
Ta-doku 開発者 / 英語多読実践者
英語多読歴3年。自身の多読経験から生まれた課題を解決するため、YouTube×AI多読サービス「Ta-doku」を開発・運営しています。
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